2019.09.12
物流用語棚卸しは、在庫管理するうえで、必ず行った方がよい作業です。
物流会社はもちろん、モノを売る会社で「棚卸し」という言葉をよく耳にすると思います。
よく聞く言葉だけど、棚卸ってどういった作業なのか、どういった手順でやるのか。
また、なぜ棚卸しをしなければいけないのかを皆様はご存知でしょうか。
この棚卸し作業が疎かになると、無駄にコストをかけてしまったりと
会社にとって不利益な状態になってしまいます。
会社にとって不利益な状態を起こさないように、
今回は棚卸しの重要性や正しい棚卸しのやり方についてご紹介します。
目次
棚卸しとは
棚卸しとは、現場にある商品や製品の数量がデータ上と一致しているかを調査する作業です。
ここで手を抜いてしまうと、在庫差異が発生してしまいます。
棚卸しは在庫を数えるだけというとても単純作業ですが、必ずミスが起こります。
現場で在庫(商品)を数えて、それらをパソコンなどで集計するという流れが一般ですが、
それぞれの場所で何かしらのミスが起きます。
物流の棚卸しの種類とそれぞれのメリットとデメリット
物流の棚卸には大きく分けて2種類あります
「循環棚卸」と「一斉棚卸」があり、こちらではそれぞれの棚卸方法と
メリット・デメリットをご説明いたします。
①循環棚卸
循環棚卸とは、在庫の場所や種類、日程に分けて順に棚卸を行う方法です。
これは棚卸作業する棚や場所のみの作業を止めて実施します。
コンビニなどの入出庫のたびにカウントするやり方が代表的な例です。
■循環棚卸しのメリット
棚卸しする場所と決めて行うため、作業を止めずに棚卸しを行えます。
棚卸にあたるスタッフも少人数で行えるのも利点です。
■循環棚卸しのデメリット
業務を止めずに棚卸を行うため、手作業でカウントを行うとカウントし始めたところと最後にカウントしたところで誤差が生じる可能性があります。
正確なカウントを行うためにはデータ管理のシステムを導入する必要があります。
②一斉棚卸
名前の通り一斉に棚卸を行う方法で、完全に業務を止めて棚卸し作業を行います。
業務を止める必要があるため、半年に1回や年に1回といったサイクルで行うため、商品の種類や品数が多い場合は在庫をカウントするのに労力と時間を要します。
■一斉棚卸のメリット
業務を止めて棚卸しを行うため、棚卸し中に入出庫がないので精度が高くなります。
もし、在庫の差異が発生しても対処がしやすいのも利点です。
計画的に行うために人員の確保がしやすいのが特徴です。
■一斉棚卸のデメリット
業務を完全に止めて棚卸しを行うため、短時間で終える必要があります。
商品の数が多い場合、時間がかかってしまうので作業を行うスタッフの負担が大きくなるのがデメリットとなります。
棚卸の目的とは
棚卸しを行う目的とは、まずは在庫の確認をすることです。
在庫を確認することで、正しい在庫数と売上の原価の計算が正しく行うことができます。
また、棚卸しには帳簿上の在庫と実在庫との差異を確認するという目的もあります。
ここでもし、在庫数量に差異がある場合は帳簿を修正しなければなりません。
どんなに気をつけていても人が作業をしている以上入力ミスや記入漏れが出てくるので、棚卸しをすることで在庫数の確認をしながら差異を見つけ、数量を合わせることができます。
そして棚卸しをすることでどんな商品が残っているのか把握ができます。
仕入れた商品が人気がなかったなどの理由で売れ残る「不良在庫」や賞味期限をもうすぐ迎えるなどの理由や、パッケージ損傷などで売れる見込みのない「滞留在庫」などがあります。
残った在庫の時期や理由を知ることで、今後の仕入れに活かすことができるため、在庫を小さく食い止めることにつながります。
棚卸しの重要性とよく起きるミスとは?
ここで、現場で数えるときに起こりやすいミスの例を挙げてみましょう。
①カウント漏れ
在庫の数え忘れです。
棚の奥に在庫が隠れていたり、普段置かない場所に在庫を置いたときに起こります。
②カウントミス
数量の数え間違いです。
数量が多くて分かりずらい、箱や袋などで梱包されているものを取り出さずに、
表記されている数を転記する、単純作業が続くので集中力が切れたりするときに起こります。
③転記ミス
在庫の品目番号や場所の記載を現場の表示などからうつすときに起こります。
④誤品カウント
似ている品番で起こります。
例えば、金具など左右がある場合、小さな切欠きがあるものとないもの、
素材違いなどの紛らわしい品番同士で起こります。
このように小さなミスが大きなミスに繋がることになります。
棚卸し時に、カウント漏れがあったり、ミスがあると
正しい在庫の数を把握する事が出来ないので、
今どの商品が売れていて、どの商品の在庫が足りていないのか正しい情報が
分からなくなってしまいます。
棚卸しは、会社の現状を見極めるために大事な作業になるのです。
棚卸しの手順
正しい棚卸しを行うには、ルールを作り、考えた方を統一し、手順を守ることが重要となります。
そのためにはまず事前に段取りをしておくことが重要です。
棚卸し成功のカギは、事前準備にかかっています。
棚卸しは一人でやるのではなく、複数でやることが一般的なので、そのことを念頭に置いて行いましょう。
考え方を統一し、手順を必ず守ることが正しい棚卸しを行う上での最大のポイントとなります。
ここでは、棚卸の手順についてご紹介していきます。
①棚卸しをする場所の在庫の動きは完全に止める
棚卸しを行う際に入出庫があるとしっかりした数を数えられない上、商品が入り乱れて混ざってしまう危険があります。
そこで、棚卸しをする際は在庫の入出庫を止めて集中して行えるように場所を整える必要があります。
②整理整頓
棚卸しを行う場所が汚れていたり、ものが散乱しているとやりにくいだけではなく、商品が紛れてなくなってしまう危険がありますよね。
整理整頓を行ってから棚卸しすることで、商品の紛失などを防ぎます。
③道具を統一
使う道具を揃えることも大切です。
例えば報告書が1人1人違うと、見る人は見にくく時間がかかってしまいますよね。
また、見間違いを起こしてしまう恐れもあります。
そのほかにも、道具を揃えることによって、違う動きをしてる人がいれば気付きやすいという利点もあります。
そうすると、やり方がわからなくて止まっている人、間違ったやり方をしている人がすぐにわかり、周りの人がすぐに声を掛けることができます。
④手順を決める
棚卸しは1人で行うのではなく、複数人で行うことが一般的です。
なので、作業に取り掛かる順番をあらかじめ決めておかないと、同じ棚を違う人がもう1度したり、どの商品が棚卸しが終わっているのかわからなくなってしまいます。
なので、棚卸しを行う前に、誰がどこをどの順番で担当するのか手順を決めておきましょう。
⑤在庫の数え方を統一します
商品によって箱詰めされていたり、1つ1つバラで管理されていたりしますよね。
Aさんは6個1パックの商品を6と数えて、Bさんは6個1パックの商品を1と数える。
上記のように商品によって数の数え方を1人1人が理解していないと正確な数がわからなくなってしまいます。
そうすると、数を数えている意味がなくなってしまいます。
なので、まず初めに全員の認識を揃えるという作業が重要になってきます。
⑥取り出して数える
数えるときに重要なポイントは「取り出す」ということです。
取り出さずに数えていると、どこまで数えたかわからなくなり、同じ商品をもう1度数えてしまったり、数え忘れてしまったりと、数え間違えてしまう可能性がか高まります。
なので、必ず数えたものと数えていないものが明確にわかるように数えることが大切です。
⑦品質チェック
商品の数を数える際に、必ず商品の品質チェックも行いましょう。
もし、数えた商品でも品質に問題があれば出荷できませんよね。
品質の悪い商品は出荷できないので、1と数えるわけにはいきません。
なので、品質チェックを行い、正規の出荷ができる商品だけを数える必要があります。
棚卸の注意点とは
棚卸しは、ただ単に数量を確認するだけではなく、在庫商品の状態(品質)をチェックすることも大事な棚卸業務のポイントです。
劣化や破損などの異常がないかしっかり確認し、異常が見つかった場合は報告するようにしましょう。
商品に異常が見つかった場合は販売できないので企業にとって「損益」になってしまうからです。また、棚卸しのために業務を一時ストップしないといけない場合もありますし、人の手もかかります。
このため、実施するには計画を立てて実施のタイミングを見て最低限の人手と労力に抑えなければなりません。
まとめ
棚卸しをする上で大切なことは、
・やりかたを統一する
・道具をそろえる
・取り出して数える
・見えるようにする
今、在庫の管理にお悩みの方は、ぜひ役立ててみて下さい!
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