2021.12.08
#在庫管理 #物流用語固定ロケーションとは、倉庫で商品の在庫管理を行う際に、
SKUごとに棚などの保管場所を固定する運用方法のことを言います。
固定ロケーションは、ピッキングシステムが導入されていなくても、商品の保管場所が固定されているのでスタッフが保管場所を把握してピッキング作業を行いやすいという特徴があります。
また、固定ロケーションはそれぞれの商品の保管場所が固定されているため、
管理方法がシンプルという特徴もあります。
こちらの記事では、「固定ロケーション」について詳しく説明していきます。
目次
固定ロケーションとは
固定ロケーションとは、倉庫にある商品の保管場所を一定の場所に決めて管理することです。
あらかじめ、保管場所が決められているため、
作業員は誰でもすぐに在庫を見つけることができます。
また入荷時にもスムーズに保管することが可能です。
そのため、出荷作業などの時間が短縮されスムーズに作業を進めることができ
作業効率が向上します。
定番で扱うことの多い商品や、ある程度在庫が一定数ある商品、カテゴリーが多い商品などは固定ロケーションでの保管がおすすめです。
ただ、決まった場所に保管するため、
空きスペースの有効活用にはつながらないため注意が必要です。
固定ロケーションのメリット
ロケーションを固定することによって、どこに何が置いてあるかを覚えやすいというメリットや、そのほかにも作業効率の改善・向上につながるというメリットがあります。
例えば、倉庫内の複数の箇所に同じ商品が置かれていたとすると、
作業者は商品をピッキングする際にどの保管場所に商品を取りに行かなければならないのかがわからなくなってしまいます。
そのため、1つの商品が1ヵ所に固定されて保管されていると、スタッフは把握しやすくなるため全員が同じ場所に商品を取りに行けるようになります。
商品が欠品しているかどうかを一目で見て確認しやすくなり、在庫切れのリスクを抑えることもできます。
また、保管する商品のサイズは、商品を保管する棚の間口サイズに合わせるのが望ましく、
その場合固定ロケーションの方が間口のサイズを決めやすくなります。
作業効率を考えたうえで、商品の置き場を決めやすいこともメリットの1つです。
固定ロケーションのデメリット
商品と保管場所を決めて管理するこの固定ロケーションは、シンプルな運用である一方でデメリットも存在します。
固定ロケーションで管理されている商品は、その商品の在庫がなくなったとしても固定されているロケーションは決まっています。
そのため、そこに空きがあったとしても他の商品は置くことができないため、その保管スペースが無駄になってしまうという恐れがあります。
置ききれない商品は他の場所に保管せざるを得ないため、保管スペースの過不足が出やすいことや在庫探しといった原因になります。
また、新商品などによる商品の入れ替えや在庫商品の増減によって倉庫のレイアウトを変更しなければならない恐れがあります。
固定ロケーションはシンプルな運用がメリットですが、柔軟性を欠いた運用になりやすい点が欠点です。
固定ロケーションの運用
この固定ロケーションは、倉庫で管理する商品の数が少ない場合や、年間を通して保管する物量が安定している場合、
アイテムのカテゴリーが多い商材を保管する場合、定番で取り扱う商品が多い場合などのときによく用いられています。
在庫としていつも日常的に流れて使っている在庫、また扱っている商品の種類があまり多くない場合はこの固定ロケーションの管理方法に向いています。
固定ロケーションとフリーロケーションの違い
固定ロケーションとフリーロケーションの管理の違いは4つあります。
①場所を決めているか
固定ロケーションとフリーロケーションの大きな違いとして、
商品の場所を決めているかどうかです。
固定ロケーションは上記で説明したように、商品アイテムごとに保管場所を固定する方法です。
そのため、商品を探すときにどこにどの商品があるのかがわかりやすいのが特徴です。
一方で、フリーロケーションは商品アイテムごとに保管するのではなく、空いている場所に保管する方法なので、
倉庫内を無駄なく活用することが可能です。
②商品の入れ替え頻度
2つ目は、商品の入れ替え頻度の違いです。
固定ロケーションでは、商品の場所が固定されているので商品の入れ替えが少ない業種で使用される事が多いです。
一方でフリーロケーションでは、商品の入れ替えが頻繁な業種で使用されることが多い管理方法です。
アパレル業界などでは、季節ごとに商品が変わるのでフリーロケーションを管理することが多いでしょう。
③作業効率
3つ目は作業効率に違いがあります。
固定ロケーションでは、商品の管理場所が決まっているので商品を探し回ることがなく、無駄な歩数が発生しません。
一方でフリーロケーションは商品を探し回ることにより、固定ロケーションに比べて歩数が多くなってしまいます。
しかし、フリーロケーションでは空いている場所に商品を管理していけるので保管効率は高くなります。
つまり、固定ロケーションでは作業効率、フリーロケーションでは保管効率が高いという違いがあります。
④在庫管理システム
最後に在庫管理システムの使用率に違いがあります。
固定ロケーションでは、ある程度場所が決まっているので商品の在庫場所がシステムで管理されていないことが多いのですが
フリーロケーションでは、どこにどの商品があるのかすぐに確認できるように
入庫場所を記録できる在庫管理システムを使用していることが多いです。
在庫管理システムで管理することによってミスの軽減、
またシステムによって一番最短でのピッキングルートを選定してくれるので作業効率も一気に高まります。
また、在庫管理の中でもクラウド型のシステムを使用することでどこにいてもリアルタイムで管理することが可能です。
まとめ
固定ロケーションとは、商品の在庫管理を行う際に、商品ごとに棚などの保管場所を固定する運用方法のことを言います。
ロケーションを設定し商品を管理することは、作業効率・品質の向上だけでなくミスの削減にも繋がります。
ロケーションの設定方法には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」が主ですが、この2つでは商品の管理の仕方が異なることや、取り扱う商品によってどちらが好ましいかも異なるため、ただ単に設定するだけでは逆に作業効率を悪化させてしまうこともあります。
そうならないためにも、まずは倉庫内でどのように商品を管理することが望ましいのかを分析することが重要になってきます。
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