2019.11.19
物流改善 生産性ピッキングとは、出荷に必要な商品を各置き場から集めてくる作業のことを指します。
このピッキングは、倉庫作業においてとても重要な作業になります。
アルバイトの募集でも「梱包」「ピッキング」といった言葉をよく目にします。
私たちのように、
倉庫業をしている人からすれば「ピッキング」といった言葉は当たり前かもしれませんが、
倉庫業に携わったことがない人からしてみれば、ピッキングという名前だけ聞いても
いまいち何のことなのか分からないかもしれません。
本日は、ピッキングとはどういった作業なのか、
またピッキングについての課題・解決方法などについてご紹介していきます。
目次
ピッキングとは?
ピッキング作業は、倉庫業務内で毎日といっていいほど行う作業になります。
ピッキングの作業前後には、入荷・仕分け・入庫・梱包・検品などの作業が行われており、
最終的に購入者に商品が届くことになります。
もちろんピッキング作業も大切ですが、この前後の作業も重要です。
また、ピッキング商品は衣類品、食品、電化製品など様々なので、
商品や在庫数に応じてピッキング方法を変えていくパターンもあります。
数あるパターンの中で、よく耳にするのがシングルピッキングとトータルピッキングです。
■シングルピッキング
シングルピッキングとは、受注(1注文)ごとに商品を各置き場からかき集めてくる方法です。
こちらは、ピッキング方法の中で基本的な作業方法になります。
シングルピッキングの詳細はこちら▼
https://xn--gckr5a9ce1k1c3h.jp/column/1424/
■トータルピッキング
トータルピッキングとは、
複数の注文の商品を1度にまとめて取りに行った上で仮置き場に置き、
お客様ごとに商品を仕分けていく作業のことを指します。
トータルピッキングの詳細はこちら▼
https://xn--gckr5a9ce1k1c3h.jp/column/1592/
シングルピッキング、トータルピッキング、
それぞれのメリットとデメリットについてもご紹介していきます。
シングルピッキングのメリットとデメリットとは?
■シングルピッキングのメリット
注文ごとに必要な商品を必要な数だけ取り出すだけのシンプルな作業なので、
作業手順や内容が単純です。
また、商品の取り間違いなどといったミスが発生しにくく、
倉庫管理システムといったシステムを活用する事で、作業精度を高めることができます。
■シングルピッキングのデメリット
受注1件ごとに商品を各置き場に取りにいく必要(50件の注文があれば50回商品を取りに行く必要がある)があるので、
移動距離や時間が長くなってしまい、無駄な歩数が発生してしまいます。
トータルピッキングのメリットとデメリットとは?
■トータルピッキングのメリット
複数の注文商品をまとめて取りに行くことで、移動距離と移動時間が削減されます。
また、必要な商品を必要な数だけ先に取りまとめてから仕分け作業を行うので、
仕分け完了後に商品の残数がになっていれば正確な作業ができたと判断することができます。
出荷数が多く、SKU(最小管理単位)が少ない現場に適しています。
■トータルピッキングのデメリット
ピッキング作業の後に、出荷オーダー別の「仕分け作業」が必要となるので、
仕分け様の作業スペースの確保と仕分け作業の工程が増えることになります。
作業工程が増えた分、ピッキングと仕分けの工程でミスが起きてしまう可能性も出てきます。
複数のオーダーが揃ってから作業を始めないと効率化が期待できないため、作業指示待ちの状態が発生する場合もあります。
ピッキング作業によくある課題
ピッキング作業でよくある悩みについて考えてみましょう。
①商品を探す時間が掛かる
なぜ、商品を探すのに時間が掛かってしまうのか。
考えられる原因は、
・ピッキング指示書に必要な情報が書かれていない
・場所の置き場が定まっていなく、特定の人しか商品の場所を把握していない。
などです。
②商品を取り出す際に時間が掛かる
いざ、商品の置き場にたどり着いても、商品の取り出しに時間が掛かってしまうと作業効率はさがります。
なぜ、このような状態になってしまうのか。
考えられる原因は、
・箱を開封するなどの、商品を取る以外の作業が発生している
・同じ場所に何種類もの商品を保管している
などです。
③ピッキングのために移動の距離・時間が掛かる
倉庫が広かったり、注文数が多くなるにつれてピッキング作業時の移動l距離や時間が長くなります。
移動距離や時間の問題で考えられる原因は、
・棚の配置が悪い
・通路が狭く作業やピッキングカートが同時に通れない
などです。
ピッキングの作業効率をあげる方法
いろいろな工夫をすれば、探す時間・取り出す時間・移動距離といった悩みを解決することができます。
作業効率アップのポイント様々です。
①商品の置き場所を決める
ロケーション管理(ものの置き場所)を決めてあげることで、
特定の人しか置き場が分からないといった悩みがなくなります。
ロケーション管理とはピッキングを効率よく行えるように在庫の位置をデータとして管理することです。これを行うことで商品を探して歩き回ることなく効率よく作業に取り掛かることができます。
ロケーションは住所のように英数字で定めることで、作業者が分かりやすくなります。
【ゾーン】–【列】–【連】–【段】–【間口】とルールを決めてロケーション附番をすることで、現場の整理整頓がしやすくなります。
▼ロケーションについてはこちらをご覧ください
https://xn--gckr5a9ce1k1c3h.jp/column/569/
②レイアウトを見直す
次にレイアウトの見直しを行います。
物流現場のレイアウトは作業の生産性に大きく影響するためです。
なぜならば、物流作業の大半を占める「歩数」がレイアウトによって変動するためです。
改善の手法としては「ABC分析」が有効です。
経営戦略やマーケティング強化に直通する分析手法で、ABC分析をすることによって現場の作業の効率化・生産性向上が実現します。
具体的には、良く出る商品・そこそこ出る商品・全く動かない商品に対し、ABCでランクをつけ、A商品は集荷場所や梱包台の近くなど、現場のフロントエリアに置くという改善です。
このようにABC分析を用い、よくでる商品は手前に置くこと、その他にも棚と棚の間にはスペースを空けて最短距離で移動できるようにするなどのレイアウトにしてあげることで、移動距離や時間は大幅に変わります。
③正しい在庫管理をする
最後に、正しい在庫管理をすることがピッキングの生産性を上げる近道です。
在庫が狂う=正しい商品をピッキングできません。
そのため、正しいピッキングを行うには、正しい在庫管理も必要になります。
正しい在庫管理とは在庫表に掲載されている商品の理論数量と、商品の実在庫の数を一致させることです。正しい在庫管理を行うためには、
・倉庫内の保管場所を決め、定期的に整理整頓する
・作業を標準化し、ルールを徹底する
・在庫管理システムを導入する
など、現場の基礎を強くしておくことが大切です。
在庫管理のやり方は企業によって様々ですが、
正しく簡単に在庫管理をするために「WMS(在庫管理システム)」を利用する企業も増えてきました。
▼WMSの役割とは?
https://xn--gckr5a9ce1k1c3h.jp/column/389/
まとめ
・ピッキングとは、出荷に必要な商品を各置き場から集めてくる作業のことを指します
・ピッキングには、シングルピッキングとトータルピッキングの2種類の方法がある
・ものの置き場を決めれば特定の人しか置き場が分からないといった悩みがなくなる
・入庫でミスをする=在庫が狂う=正しい商品のをピッキングできない。
現場に合ったやり方で、作業効率アップを目指しましょう。
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